モリタ装芸の家の「夜の表情」
モリタ装芸の家の「夜の表情」を写真に撮り始めてから、いくつか気づいたことがあります。
まず印象的なのは、照明器具の数が決して多くないことです。
それでも空間が寂しくならないのは、光を受け止めてくれる壁や天井、素材の質感、そして余白のつくり方が、とてもやさしいからだと感じました。
加えて、照明器具そのもののレイアウトがよく考えられていて、必要な場所にだけ、必要な分だけ光が置かれている。
そのバランスが、夜の時間を落ち着いたものにしてくれます。

1997年から、光の価値観はどう変わったか
私が建築業界に身を置いたのは 1997年でした。
当時は「部屋はとにかく明るくするもの」で、暗さがあることはどこか許されない雰囲気もありました。
日常の光を取り巻く環境の変化
それから今日に至るまで、私たちが触れる“光”の環境は大きく変わりました。
- 電球の LED 化
- 東日本大震災後の原発停止による節電意識
- スマートフォンの普及で、ディスプレイという強い光に触れる時間が増えたこと
- 紛争などの影響による電気代の上昇
30年前には想像しにくかったような、光の「原資=エネルギー」の問題が身近になり、同時に、人の目が触れる光の質や量も変わってきたのだと思います。
限られたエネルギーで、夜を美しく照らす

日本は資源の少ない国ですが、限られたものの中で美しいモノやサービスを生み出してきた国だと感じています。
家族が過ごす夜を、限られたエネルギーを上手く使って照らしていく。
モリタ装芸の家の照明には、そんな想いが静かに宿っているように思います。


