【定額制注文住宅『ROMO』】小屋とウッドデッキで非日常を満喫

※本記事は住宅情報WEBマガジンDaily Lives Niigataによる取材記事です。

安心できる人柄に惹かれ、モリタ装芸に決断

2023年2月に訪問したのは、長岡市内の住宅街に立つH邸。こちらで20代後半のHさん夫婦と1歳のお子さんの3人が暮らしている。

さらに、奥様のおなかの中には赤ちゃんがいて、この春に誕生予定なのだそう。

2021年の年末に完成した住まいは、モリタ装芸の定額制注文住宅「ROMO」にウッドデッキと4畳の小屋を組み合わせ、中庭のような空間をつくっているのが特徴だ。

母屋と小屋に挟まれたウッドデッキは、都市の中につくられたポケットパークのような雰囲気を感じさせる。

「前は1LDKの賃貸アパートに住んでいましたが、妻が妊娠したのを機に家を建てることを決めました。アパートは日中でも照明を点けないと暗く居心地が悪かったですし、早めにローンを組んで早めに返し終えたいとも思っていました」とご主人。

「モリタ装芸さんは私が働いている長岡市内の飲食店の設計・施工をしていたので元々知っていました。お店のマネージャーもモリタ装芸さんで建てた家に住んでいて、その家が好きでマネしたいなと思い紹介して頂いたんです」(奥様)。

モリタ装芸長岡店の店長・樋宮僚(ひみやつかさ)さんと初めて会ったのは、完成見学会だったという。

「他社も見ていたんですが、最初の見学会で樋宮さんと話し、その人柄に惹かれお願いしたいと思いました。とても話しやすく、僕たちの要望をイチから聞いてくれたのもうれしかったですね。家は高い買い物なので信頼できる人から買いたいと思いましたし」とご主人は樋宮さんの第一印象を振り返る。

「その後、土地の購入の時の段取りもすごく良かったですし、スムーズに家づくりを進めることができました」(奥様)。

そんなHさん夫婦のROMO。どんなこだわりが詰め込まれているのか拝見させて頂いた。

 

テーマはアメリカンビンテージ

母屋のROMOは、間口4間(約7.3m)×奥行4.5間(約8.2m)の35坪タイプ。

ネイビーのガルバリウム鋼板の壁とレッドシダーのアクセントウォールの組み合わせは、奥様が家づくりのテーマに据えた“アメリカンビンテージ”に基づいて選ばれたものだ。

白い玄関ドアもレッドシダーやネイビーカラーの壁と調和している。

玄関は壁側に高さが異なる2つのキャビネットを組み合わせ、その反対側にはベビーカーを収納できる土間スペースを配置。コンパクトながらも収納と採光のバランスがよく考えられている。

靴を脱いでホールに上がると、突き当りには洗面室、左手には階段とトイレ、右手にはリビングにつながる引き込み戸が見える。

2.25畳の洗面室にはL字型の洗面台があり、すっきりとした1枚ものの鏡の裏に仕込まれた間接照明が柔らかい光を放っている。

「『化粧を洗面室でしたい』と伝えてご提案を頂いたのが、この化粧台を兼ねたL字の洗面台です。タオルやドライヤー、衣類スチーマーなどを収納するスペースもつくって頂きました。物干し用のバーもあるので、ここで物干しが完結できます」と奥様。

壁には化粧品用のニッチ収納も備えられている。

洗面室の手前にあるトイレはモノトーンで仕上げられたシックで無機質な空間。床は洗面室と同じモルタル調の塩ビタイル(TAJIMAのMBE-164)を使用するなど、水回りエリアでのまとまり感も考えられている。

 

大人数でも座りやすい、小下がりがあるリビング

一度ホールに戻り、先程とは別の引き込み戸を開けると、その先にはLDKが広がっていた。

23畳の空間には約3畳の“小上がり”と“小下がり”があり、その隣にダイニングとキッチンが配されている。

「床が下がっているリビングに憧れがあったんです。床を下げた部分を360度ソファで囲んでいるインテリアの写真を見つけ、はじめはそれをつくりたいと要望を出していました。でも、その造作ソファだけで150万円かかることが分かり、ソファを造作しないタイプでつくって頂くことにしたんです」とご主人。

設計を担当した茂野和樹さんは「最初にHさんがイメージされていたものはコストも掛かりますが、空間に圧迫感も与えるものになりそうでした。そこで、大きさのバランスを考えながらこのようなダウンリビングを提案させて頂いたんです。細かい部分ですが、TVボードを一体にしてルーバーの中にAV機器を隠す工夫もしています」と話す。

大きなバスタブのようなダウンリビングは、その周りに腰を掛けることもできるし、中に入って壁を背もたれにすることもできる。

「完成してからこのダウンリビングにみんなで入り、ゲームをして遊んだのも楽しかったですね」と樋宮さん。

すぐそばに設けられた小上がりはロールスクリーンで仕切ることができ、簡易的な寝室としても使える設計だ。下は引き出し収納になっており、日用品や毛布など、よく使うものをさっと取り出すことができる。

 

造作カップボードとご主人自作の木製ゴミ箱が融合

リビングの隣にあるキッチンは、奥様の「家事がスムーズにできて、リビングやダイニングを見渡せるキッチンにしたい」という希望から、ぐるりと回遊できる対面型を茂野さんは提案した。

背面の白い扉の中はパントリーで、中には冷凍庫も収納できるように少し奥行を深めに取っている。その隣はオークの面材を使った造作カップボード。

「吊り棚は食器のシルエットだけが分かるチェッカーガラスにしたり、ゴミ箱をHさんがDIYでつくるということでそのスペースをあけたり、打ち合わせをしながら形や寸法を決めていきました」と茂野さん。

建築中にご主人が同時進行で制作をしたという3つのゴミ箱が、カップボードの下にピタリと納まっている。

「元々車をいじるのが好きで工具を集めるようになり、DIYもするようになりました。コンビニに置いてあるゴミ箱のように上の扉を押してゴミを入れ、下の扉から回収できるようにしています」(ご主人)。

冷蔵庫はキッチンの端の目立たない場所にレイアウト。それでありながら、ダイニングからすぐにアクセスできる動線が確保されているため、食事中に飲み物などを取りに行くのもスムーズだ。この間取りには、そんなさり気ない気遣いも隠されている。

 

プールもバーベキューも楽しめる広いウッドデッキ

Hさん家族のROMOには、暮らしを楽しむためのさまざまなアイデアが盛り込まれている。その中でもっとも特徴的なのは、やはり冒頭で紹介した小屋とウッドデッキの組み合わせだ。

掃き出し窓の外に続くウッドデッキは、リビングが外へと拡張していくように見えるため、実際の床面積以上の広がりが感じられる。

奥に見える4畳の小屋が外からの視線を遮る壁の役割を果たしており、日中はカーテンを開けたまま過ごせるという。

「小屋はHさんが希望していたものですが、ROMOとウッドデッキと小屋を並べるレイアウトは僕たちがやってみたくて強くお薦めしたものなんですよ(笑)」と樋宮さん。

「今は冬なので使っていませんが、春から11月くらいまではよくデッキに出て過ごしています。友達を呼んでバーベキューをしたり、子どもとプールで遊んだり。

(写真提供:Hさん)

(写真提供:Hさん)

5~6月頃は暑すぎず風がすごく気持ちいいですね。夜の雰囲気もいいですし、冬に雪が積もったデッキを眺めるのも好きです。次の夏はタープやハンモックを使ってみたいですね」と、ご主人はうれしそうに話す。

外からの視線が届きにくいことも、このデッキが心地良く過ごせるゆえんだ。

ちなみにデッキの向こうにある小屋は、ご主人の隠れ家のような場所になっている。

「車のタイヤや趣味のスノーボードを収納している他、DIYをする場所としても使っています。あとはここでタバコを吸ったり、漫画を読んで過ごしたり。断熱材が入っておらず夏は暑いので、今度エアコンを付ける予定です」(ご主人)。

4畳の小屋は、ご主人が一人で気ままな時間を過ごすための大切な居場所。リビングからよく見え、母屋に居る家族と互いに気配を感じられる距離感もちょうどいい。

「家の中もウッドデッキも小屋も、僕らが想像した以上に楽しんで使って頂いていてすごくうれしいですね」(樋宮さん)。

シンプルな総二階のROMOは外観だけ見ると規格住宅のように見えるが、間取りも造作家具もとことん自由に追求でき、建物のフォルムが決まっていること以外は注文住宅とあまり変わらない。それが『定額制注文住宅』とうたっている理由だ。建築計画の初期から予算を把握できるメリットもある。

そんなROMOに小屋を組み合わせたH邸は、居心地のいい中庭のようなウッドデッキを内包し、外部空間も充実した住まいに仕上がった。

『ROMO×小屋』。

この組み合わせが、定額制注文住宅の楽しさをさらに広げてくれそうだ。

コロナ禍以降じわじわと人気が高まりつつあるモリタ装芸の『小屋』は、2023年3月現在、長岡市希望が丘のモデルハウスで見学可能。

興味のある方はぜひ見学に訪れてみては?

 

H邸
長岡市
延床面積 115.94㎡(35.00坪)+小屋(2.00坪)
構造 木造軸組工法
竣工年月 2021年12月

写真・文/Daily Lives Niigata 鈴木亮平