家の中に「外」があるという、ちょっと贅沢な日常。

家づくりを考え始めると、いろいろな夢が膨らみますよね。「広いリビングがほしいな」「キッチンにはこだわりたいな」……。 そんな中で、最近よくご相談をいただくのが「中庭のある家」です。

雑誌やSNSで見かけるおしゃれな空間。でも、「実際に暮らしてみるとどうなんだろう?」と、少し慎重になる部分もあるかもしれません。 今回は、私たちが大切にしている「暮らしの心地よさ」の視点から、中庭がもたらしてくれる本当の価値について、メリットもデメリットも包み隠さずお話ししてみたいと思います。

少し長いお話になりますが、どうぞリラックスして読んでみてくださいね。

窓を開け放つ、その一瞬から始まる心地よい時間。

中庭のある家を考えたとき、一番に思い浮かぶのはどんなシーンでしょうか。

カーテンを閉め切らずに、パジャマのままリビングでコーヒーを飲む朝。 お隣からの視線を気にせず、思いっきり深呼吸ができる自分たちだけの「外」がある。 それだけで、なんだか日々の中に小さな「ゆとり」が生まれるような気がしませんか?

中庭の最大の魅力は、なんといってもその「圧倒的なプライベート感」にあります。 普通のお庭だと、どうしても道路を通る人の目や、お隣さんの窓が気になってしまうもの。でも、建物に囲まれた中庭なら、そこは完全に家族だけの自由な場所になります。

お子さまがビニールプールで大はしゃぎしていても、周りを気にせず見守ってあげられる。夜には椅子を出して、ちょっとした晩酌タイムを楽しむ。 そんな「外」とのつながりが家の中にあることは、実はすごく贅沢で、日々のささやかな幸せを感じさせてくれるポイントなんです。

暮らしをゆるやかにつなげる、間取りの不思議。

中庭を家の中心に置く間取りにすると、家全体の雰囲気がガラリと変わります。 廊下を歩けば庭が見え、リビングの向こう側にもまた部屋が見える。そんな風に、視線が中庭を介して外へと抜けていくことで、実際の広さ以上の開放感を感じることができるんですよね。

また、中庭は家族の「つながり」をデザインするのにも一役買ってくれます。

たとえば、お父さんが書斎で仕事をしていて、お子さまがリビングで遊んでいる。直接同じ部屋にいるわけではないけれど、中庭越しになんとなくお互いの気配を感じられる……。 そんな「つかず離れず」の距離感が、家族の時間をより心地よいものにしてくれるように思います。

「どの部屋をどう庭に面させるか」を考えている時間は、私たち設計士にとっても本当に楽しいひとときです。 「朝の光を一番に取り込みたいのはどこかな?」「夜の静けさを楽しめるのはどの場所だろう?」 そこで営まれる「暮らしの風景」を想像しながら、一つひとつの線を引いています。


心地よさを守るために、知っておきたい4つのこと

中庭という贅沢な空間を手に入れるためには、いくつか向き合わなければならない現実もあります。それは決して「不便」というわけではなく、工夫次第で暮らしの楽しみに変えられるポイントです。

  1. 建築費用と、優先順位のバランス
    中庭をつくるとなると、建物の形が複雑(コの字やロの字)になります。すると、通常の四角い家よりも外壁の面積が増え、サッシ(窓枠)の数も増えるため、どうしても建築費用が上がりやすくなります。「どこまで中庭にこだわるか」という優先順位の整理が、納得のいく家づくりには欠かせません。

  2. 日々の小さなお手入れと、窓掃除
    中庭に面して大きな窓をたくさん作ると、その分、ガラスを磨く手間も増えます。「いつもピカピカにしておかなきゃ!」と気負いすぎると疲れてしまうので、たまの休日にお子さまと一緒に掃除を楽しむ……くらいの余裕があると素敵かもしれません。また、排水溝に枯れ葉が詰まらないようにチェックするなど、長く心地よく住むためのささやかなメンテナンスは必要になります。

  3. 冬の暖かさと、窓の断熱性能
    「窓が多いと、冬は寒いんじゃない?」というお声はよくいただきます。確かに、壁に比べると窓は熱が逃げやすい場所です。だからこそ、中庭のある家では、断熱性能の高いサッシやガラスを選ぶことが非常に大切です。光を取り込みながら、いかにして暖かさを守るか。そこは、私たち設計士の腕の見せ所でもあります。

  4. 生活動線と、移動を楽しむゆとり
    中庭を囲むような間取りにすると、リビングから寝室へ行くのに「庭をぐるっと回る」ような動線になることがあります。効率だけを考えると遠回りに感じるかもしれませんが、移動の途中で「あ、雨が降ってきたな」「月が綺麗だな」と気づけるのが中庭のある暮らしの醍醐味。「便利さ」「情緒」のどちらを大切にしたいか、ご家族でゆっくり話し合ってみるのがおすすめです。


移ろう季節を愛でる、一番身近な特等席。

中庭のある家での暮らしは、季節の変化にとても敏感になります。 春には柔らかい光が差し込み、夏には夜風が通り抜け、秋には影が長く伸びていく。雨の日に、しとしとと庭が濡れていく様子を眺めるのも、意外と落ち着くものですよ。

最近は、家で過ごす時間がとても大切にされるようになりました。 だからこそ、単なる「住むための箱」をつくるのではなく、そこにある「空気感」「光の移ろい」を大切にしたい。中庭は、そんな私たちの想いを形にするための、一つの素敵な手段なんです。

「中庭、自分たちの暮らしにはどうかな?」 もしそう思われたら、まずは難しく考えず、そこでどんな風に笑い合いたいかを想像してみてください。

お気に入りのハーブを植えてみようかな。たまには外でお昼寝もいいな。 そんなワクワクする気持ちが、家づくりを一番楽しくしてくれます。

私たちは、そのワクワクを形にするお手伝いをするのが大好きです。 「ちょうどいい」サイズ感で、あなたらしく、ささやかな幸せが積み重なっていく住まい。そんな一軒を、一緒に考えていけたら嬉しいです。

中庭のある家、なんとなくイメージが湧いてきましたでしょうか? もし、「もっと具体的な間取りが見たい!」「自分の土地だとどんな風になるの?」と気になった方は、ぜひお気軽にお声がけくださいね。

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