ライフスタイルが映し出す理想の形
家づくりやリフォームを考えるとき、今や欠かせない存在となった「パントリー(食品庫)」。かつては単なる物置として扱われることもありましたが、現代の暮らしにおいては、家事効率や心のゆとりを左右する重要な場所となっています。
しかし、パントリーの「正解」は一つではありません。住んでいる地域や、家族が大切にしている習慣によって、その理想的な姿は驚くほど変わります。今回は、環境の違いや個々のライフスタイルに合わせたパントリーの活用術を紐解いていきましょう。

環境が変われば形も変わる。都会と地方、パントリーの意外な違い
住む場所の利便性や周辺環境は、パントリーの設計に大きな影響を与えます。実は、都会と地方ではパントリーに求められる役割が大きく異なることをご存知でしょうか。

都会のパントリーは「賢く使い切る」スマート設計
都会での暮らしの最大の特徴は、なんといってもその利便性です。徒歩圏内にコンビニやスーパーがあり、深夜まで営業している店も少なくありません。最近ではネットスーパーやデリバリーサービスも充実しており、「足りなくなったら数分で手に入る」という環境が整っています。
そのため、都会のパントリーは「大きな倉庫」というよりも「効率的な整理棚」としての性格が強くなります。床面積が限られている住宅事情もあり、いかにデッドスペースを作らず、在庫を循環させるかが鍵となります。 「ストックは最小限にして、常に新鮮なものを循環させる」。そんなミニマムでスマートな設計が、都会のパントリーの美学です。
地方のパントリーは「お裾分け」を支える多機能空間
対して、車社会が基本となる地方では、パントリーの役割は一気に広がります。スーパーへの買い物は週末に車でまとめ買いをするご家庭が多いと思います。そのため、大量の食材や日用品をどっしりと受け止める、ゆとりある広さが必要になります。
そして、地方ならではの素敵な文化が「お裾分け」です。近所の方や親戚から野菜やお米をいただく機会も多いため、その保管場所として玄関横にパントリーを配置する間取りが人気です。近年の住宅は気密・断熱性能が向上し、家中が暖かいため、あえて冷気が入りやすい玄関横に設置して鮮度を保つ、という合理的な理由もあります。
玄関土間からパントリーへ続く動線があれば、重い荷物や泥のついた野菜も気兼ねなく運び込めます。地方のパントリーは、地域との繋がりや豊かな食文化を支える、懐の深い空間なのです。

あなたの「暮らし」に合わせたパントリーの正解
環境による違いに加え、家族が「どんな時間を大切にしたいか」を考えると、パントリーはさらに個性的で便利な場所へと進化します。
ここでは、現代のライフスタイルに合わせた3つの提案をご紹介します。
①【ストック重視派】ふるさと納税・まとめ買いする方へ向けて
〜パントリーに「専用冷凍庫」という贅沢を〜
「ふるさと納税の返礼品が一気に届いて、冷凍庫が閉まらない!」「安く買える日にまとめて買いたいけれど、保存する場所がない……」そんなご経験はありませんか? そんな家庭におすすめなのが、パントリー内に「小型のセカンド冷凍庫」を設置するプランです。
あらかじめパントリー内に専用のコンセントとスペースを作っておけば、キッチン周りがスッキリするだけでなく、計画的なまとめ買いが驚くほどスムーズになります。大容量の食品を小分けにして冷凍する方にとって、冷凍スペースをたっぷり蓄えておける安心感は、お買い物時の心のゆとりにも繋がります。
②【共働き・タイパ重視派】家事動線を集約する方へ向けて
〜水回りをパントリーでつなぐ〜
仕事に家事に育児に、毎日を駆け抜けている共働き世帯にとって、一番欲しいのは「時間」ではないでしょうか。そんな方には、、キッチン〜パントリー〜洗面室(脱衣所)を一直線につなぐ動線のウォークスルー型パントリーがおすすめです。
料理をしながら洗濯機を回し、そのついでにパントリーから洗剤を取り出す……。この数歩の短縮の積み重ねが、大きな時間の貯金になります。動線をまとめることで、バタバタしがちな朝夕の時間にふっと息をつく余裕が生まれます。
③【こだわり料理・趣味派】見た目も楽しみたい方へ向けて
〜「隠す」から「眺める」パントリーへ〜
料理を単なる作業ではなく、創造的な時間として楽しみたい方にとって、パントリーは「宝物庫」です。すべてを扉の中に隠してしまうのではなく、あえて一部をオープンな棚にしてみるのはいかがでしょうか。
お気に入りの海外のスパイス瓶、丁寧に漬け込んだ自家製の梅酒、カラフルな鋳物ホーロー鍋。それらをギャラリーのように並べるだけで、パントリーは一気に心ときめく空間に変わります。お気に入りの道具に囲まれることで、毎日の献立作りも少しだけ特別なイベントに感じられるかもしれません。

「これから」を語り合おう。理想の暮らしを支える空間。
都会的でミニマムな収納も、地方の温かみのある玄関横パントリーも、そして個人の趣味を詰め込んだ空間も。どれもがその家族にとっての「正解」です。
パントリーを計画するときに大切なのは、今の持ち物を数えることだけではありません。 「週末はどんな料理を作りたいか」「家事の合間にどんな景色を見たいか」。 そんな風に、「未来の自分たちがどんな風に過ごしたいか」を想像してみることが、最高のパントリーを作る一番の近道です。
あなたの暮らしを優しく支え、毎日をちょっとだけ楽にしてくれる。そんな素敵なパントリーを作るべく、モリタ装芸では念入りな打ち合わせを重ねていきます。
お客様の理想を形にするご提案をさせていただきます。
是非、理想をお聞かせください!




